++かに座の神話++
神話では有名な12の功業の2番目の話しである、ヘラクレスがレルネの化け蛇ヒドラ (海蛇座)これを退治した際に、ヘラクレスを憎む女神ヘーラによって遣わされた化け蟹だとされています。
英雄ヘラクレスは大神ゼウスと、ミュケーナイの王女アルクメネとの間にできた子供です。
しかしゼウスの妻、女神ヘーラは夫の浮気が腹立たしく、生まれる前からヘラクレスを憎んでいました。
そこで彼女は策略を用い、ティーリュンスの王エウリュステウスのもとで12年間、仕えるように仕組んだのでした。
ヘラクレスはエウリュステウス王の命令で、レルネの化け蛇ヒドラを退治することになりました。
このヒドラは恐ろしい怪物で、9本の首を持ちいくら切り落としても再生してくるので、さすがのヘラクレスもかなり苦戦していました。
ヘーラはヘラクレスを殺す好機と考え、ヒドラを手伝わせるために、一匹の巨大な化け蟹を遣わしました。
ところが化け蟹はあっさりとヘラクレスに踏み潰されて死に、ヒドラもヘラクレスの甥イオラオスの機転で倒されてしまいました。
ヘーラは嫉妬深くはありましたが決して邪悪な女神ではなかったので、死んだヒドラと化け蟹の2匹の怪物を哀れに思い、天に昇げて星座としました。
こうしてヒドラは海蛇座となり、化け蟹は蟹座となったのです。