++おとめ座の神話++
この星座の神話は様々なものがありますが、麦の穂を持っていることから農業の女神デメテルとする説が多いようです。デメテルは大神ゼウスの姉で、大地からのものすべてを支配する女神。
デメテルにはペルセポネーという娘がいて大変可愛がっていました。
しかし、ある日ペルセポネーは冥土の神プルートンにさらわれ、その后にされてしまいました。
これを知ったデメテルが絶望して、エンナの谷にあるほら穴に閉じこもってしまいました。
そのため地上の草木や花が、新しく芽をふかなくなってしまったのです。
困り果てたゼウスは、ペルセポーネーを帰すようにプルートンに命じました。
プルートンは仕方なく承知しましたが、帰す前にペルセポーネーにざくろの実を与えました。
1度冥土の食べ物を口にしたものは、2度と地上に戻れないという掟があったからです。
そうとは知らないペルセポーネーは、その実を4粒食べ、懐かしい母のもとに帰りました。
デメテルは娘の姿を見て、喜んで洞穴から飛び出しました。
すると寒々とした大地はみるみる緑におおわれ、草木は伸びはじめました。
けれどもペルセポーネーがざくろの実を食べたことがわかると、デメテルは再び絶望しゼウスに助けを求めました。
するとゼウスはペルセポーネーに毎年8ヶ月を母のもとで暮らし、食べたざくろの実の数にあたる4ヶ月は、冥土のプルートのもとで過ごすようにと命じたのです。
このため娘のいない4ヶ月間は、母の女神はほら穴に閉じこもるようになり、地上のすべての植物も眠りにつくようになりました。
これが冬となり地上に四季の区別ができた始まりです。