++やぎ座の神話++
S 牧神パーンは伝令神ヘルメスの息子で産まれた時から、山羊の角と足を持ち、山羊のようなヒゲがはえていました。パーンはいつも陽気に笑い、シュリンクスという笛を吹いては、野山を駆け巡る陽気な神でした。
しかし、パーンには熱情・狂気を司り、人々に原因不明の恐慌を与える力もあったのです。
ある時、神々はナイル川のほとりに集まって宴会を開いていました。
宴会好きのパーンももちろん参加していて、シュリンクスを吹き鳴らしたり、踊ったりしては場を盛り上げていました。
ところがその時、怪物テュフォンが現れました。
テュフォンはかつて大神ゼウスに逆らったティタン神族の生き残りで、恐ろしい力を持つ怪物です。
突然の出来事に神々はちりぢりに逃げ出しました。
美の女神アフロディテとその息子エロスは川に飛び込み、姿を魚に変えてにげました。
パーンも川へ飛び込みましたが、慌てて化けたために上半身は山羊、下半身は魚の姿になってしまったのです。
その姿で川を泳ぐ様子があまりにもおかしかったので、ゼウスが記念としてその姿を天に残しました。これが山羊座になったといわれています。